『……………』


「……………」


『……………』


「目、赤ぇな」




全ての授業が終わり、あたしは言われた通り蕪城先生の元に向かった。


扉を開けた途端に広がる、謎の沈黙。


動けないでいると、あたしより先に蕪城先生が口を開いた。



そして冒頭のやり取りに戻る。




『………ちょっと、泣いちゃいました』




この年で目が腫れるまで泣いたことが照れ臭くて、あたしは俯きながら言った。




「……………誰」


『…へっ?』




言われた意味がわからなくて、あたしは首を傾げた。


眉根を寄せた蕪城先生に腕を引かれ、扉がバタンッと閉まった。




「誰に泣かされたんだ?」




―――はいっ?


瞠目するあたしを見てなにを思ったのか、ぴきりと青筋を立てた。


え、ええっ?




『……あの、先生?』


「大方、胡桃坂だろう。あいつには、校長も手を焼いていてな」




は、話の流れがおかしな方に…!!