「春姫さん、羨ましいですわぁ♪」
「わたしも蕪城先生に特別授業をされたいです…」
授業後、まさかクラスメイトに囲まれるとは思わなかった。
集まって来たのは華苗や繭だけじゃなく、クラスの半数近い人があたしの机の周りにいた。
残りの半分は、遠くからチラチラとこちらを見てくるタイプの人たちだ。
『いえ、その……私の学力面を考慮してくださった結果なだけですから…』
なるべく謙虚に、それから少しの自虐を。
単にあたしの頭が悪いからよ、ごめんなさいねぇ?
ハッと鼻で笑いながらそんなことを言ったあかつきには、あたしの命が危うくなりそうだ。
「あら……頑張ってくださいね、赤城さん」
「美目麗しい蕪城先生に教わるんですもの、大丈夫ですわ」
いやそれ意味不明ですけど!
美目麗しいのと教えるのが上手いかなんて関係ないでしょ!
と、言えるわけもなくあたしはただ口角を吊り上げていた。
「本当に羨ましいですわ。赤城さんのように壊滅的に頭が悪いと、蕪城先生に相手をしていただけて」