頑張ったんです。
これでもチャイムが鳴るまで、頑張って起きてたんですよ。
1問もわからない中、睡魔と闘い抜くなんて凄くないですか?
もっと褒めてくれても良いと思うんです。
その努力に免じて見逃してくれちゃうとか。
―――だから、ね?
『補習なんてあんまりじゃないですかぁぁぁっ!!』
舞台は教室から変わって、昨日と同じ数学教官室。
小テストで見事0点を取ったあたしは、最悪なことに蕪城先生から呼び出しを食らってしまった。
ああああああ今日はスーパーの特売が…!!
こうしちゃいられないっ…!
なにがなんでも絶対に、10個で200円の北海道産じゃがいもをゲットしてみせる!!
「にしても、ひっでー点数」
ブチッ
えーえー誰かさんの教え方の問題じゃないんですかぁ?
ってか、昨日は受けてないんだからできなくて当然でしょ!?
まぁ寝てたあたしが大きな顔して言うことじゃないのはわかってますけど!!!
ていうか、それわかってて小テストなんて普段はめったにしないことしたんですよねぇ?
ほんっとに嫌な性格してますよね!!
「実はな……小テストを実施したのはわざとなんだ」
『…んなこと、とっくに知ってますけど』
「え、マジ?お前って勘が鋭いのなー」
はいっ!?
本心から驚いた顔をしている蕪城先生を、あたしはぽかんと見詰めた。
なに、この人…
―――バカなの?