………い、痛い。






じんじんと熱を帯びて疼く背中の打撲に、顔を歪めた。



なにをするんだ、いきなり。



怒りを込めて顔を上げると、ひどく冷たい瞳をした蕪城先生がいた。




『せんっ…』




背中に当たるのは、ひんやりと冷たいタイルの床。


金持ち学校だから、きっと大理石でも使ってるんだ。


…じゃなきゃ、こんなに冷たいわけがない…!




『(な…なに!?なんか先生、怒ってる!?)』




突然、思いっきり床に倒された意味もわからない。



…なんなんだ、ほんと。



真意の読めない瞳の先生をいくら見詰めても、一向に解決策は見付からない。


逸らすことなくジッとあたしを見下ろすその双眸には、どこか侮蔑の色が表れていた。




『………………あの、』







「なにが欲しい?」









意を決して口を開いたというのに、呆気なくそれは遮られた。






―――意味のわからない、言葉と共に。