肉まんの包み紙を、強烈な熱さに耐えながら半分くらい剥がした。



純白の湯気が闇に映えて、綺麗だ。



らしくもなくそんなことを思った自分を笑い、少しは思考もお嬢様らしくなったのかなと考える。




『あー…美味しそう!』




今はそんなこと、どうでもいっか。



お嬢様とは掛け離れたこの姿でそれを考えるのも、甚だ可笑しな話だ。



毛玉のたくさんできたセーターに、内側がもこもこしていて暖かい某服飾店のなんとかって名前があったはずのズボン。



こんな姿を誰かに見られたら、あたしはもう明日から引きこもりになってしまう。



あはは…と声に出して笑いながら、あたしは頭を振った。




―――今は違う世界を生きてるんだよ、あたし。