ざわっ…!


当たり前のように、会場がざわつき始める。


あたしを探してキョロキョロと頭を振ってるクラスメイトの姿も見えた。


ていうか……たぶらかしていた、って。




『(いつの間にそんな悪者になってんの…)』




ここまでするかと呆れ返っていると、ステージ上の胡桃坂さんが僅かに唇を歪めた。


…なに、今の。


胸の中にざらりと黒いものが流れ込む。


嫌な予感が、増す。



予感は、―――現実に。




「きゃあっ!」




悲鳴が上がり、あたしも弾かれるように声の主を見た。


クラスメイトの藤下さんだった。


彼女はあたしの方を見たまま、動かない。



嫌な予感が、ざらりと、



黒が白を、塗り、潰、




「あ、赤城さんっ…!こ…これ、本当に、あなたなのっ!?」




パラパラッ…


彼女が叫んだのと同時に、空からなにかが降ってきた。


遠くから見ると紙吹雪のようだったそれは。




『な…ん、でっ……!!』





ひらりとあたしの足元に落ちたそれは。






コンビニでバイト中の


あたしの写真だった。