「今日夜9時ぐらいに、チャットできる?」


アキラからのメール。


「うん。友達と飲みに行くけど、9時までに帰るからできるよ。」


今日はアキラがチャットしてくれる。


パソコンを立ち上げ、化粧直し。


9時前。


アキラから着信。


「今、納品しないと行けない物があって、まだ納品できてないんだ。だからチャット間に合わないかも。」


「えー?まぢでー?」


─もっと早くにゆってくれたら、まだ友達と飲めたじゃん─


「本当にごめん。」


「いーよ。」


「今な津山駅ってとこ」


─ん?それって私の家の近く─


「嘘でしょー」


「本当だよ」


「はいはい。じゃあ、そこの駅の名前写して、写メしてよー」


「わかったよー」


─ピッピッ─


アキラから写メが。


私の町の見慣れた駅の景色が。


「アキラ!すぐに行くから待ってて!」


私は家を飛び出した。


─本当にきてくれたんだ。本当に?─


本当は会うのが怖かった。

私はアキラに嘘をついていた。


それは身長。


私は長身で、175センチもある。


アキラには168センチと嘘をついていた。


嫌われたくない。


アキラが作りあげてる"紗理奈"の理想像を崩したくなかった。


それでも230キロとゆう距離を会いに来てくれたアキラに会いたかった。


アキラと電話をしながら、アキラが来てくれてる場所まで向かった。