保健室のドアが勢いよく開いて、茉奈さんの声が響き渡った。
「次、どうするの?引き続き、サボり?」
近づいてくる足音。
みさきさんが、再び腕の中で暴れ始めた。
何とか離れようともがいているものの、俺がしっかり押さえているせいで動けない。
「ちょっ……航く……」
小声で俺に訴えかけるみさきさんの口をふさいで、
とりあえず、様子を見ることにした。
息をひそめていると……
「しっつれいしまーすっ」
聞き覚えのある、ノーテンキな声。
「航くんいますかーっ?……って、茉奈先輩じゃん。
こんにちはーっ」
……なんで、悟まで。