そして、


眠っているみさきさんを起こすんだ。



そっと近づいて。

そっと触れて。


目を覚ましたみさきさんはたいして驚きもせずに、俺と一緒に歩き出す。



「いつもごめんね」


って言われたこともある。



……謝るのは、実は俺のほうだったんだけどね。




みさきさんは、今でもきっと知らない。


言ったら怒るだろうなぁ。


キスだけとはいえ…何度も寝込みを襲われていたなんて、さ。


それは、つき合い始めてからも変わらなくて、

起きてほしいときは、俺はその方法を使う。


今でもちゃんと、通用するから、ね。