あのときと同じように、


俺は手を伸ばした。


みさきさんの頬に、触れる。


一瞬、ピクリと反応したような気がした。


でも、起きてはいない。


完全に眠ってるんだけど、
たぶん俺だってことはわかってる。


そんな感じ。



当然だよね。


もう、みさきさんの身体には俺が刻み込まれてるんだから。


ちょっと触っただけだって、すぐに反応する。


これぞ、努力の賜物?



自然とほころぶ顔をなんとか元に戻して、俺はみさきさんにキスをする。


あのときみたいに。



「ん……」



ゆっくりと開かれる瞳。


ぼーっとしつつも、



「……航くん?」



すぐに俺の姿を捉える。



「ち……近いよ」