自分の彼女を母親が気に入ってくれているというのは、単純に嬉しい。
特にみさきさんは、
人見知りが半端じゃないし、
お世辞にも愛嬌があるとは言えない。
しかも、あんなことがあったわけだし……
絶対に、反対されると思ってた。
それか、嫌われるか。
だから、最初にちゃんと説明して紹介した。
内心、かなりビクビクだったっけ。
でも……
母さんは、すぐにみさきさんを気に入った。
家に連れてくれば歓迎するし、泊まらせても文句は言わない。
さすが看護師だけあって、
「間違いだけは犯さないでね?」
と、“命の尊さ”について長々と説かれたけど。
でも、ふたりの関係は良好。
嬉しいけど……
やっぱり複雑。
“おあずけ”をくらった俺は、
仲良くテレビに向かうふたりの背中を恨めしく眺め続けた。
鑑賞会は、明け方まで続いた…はず。
俺も、途中までは頑張ってあの場にいたものの、
途中で部屋に戻って先に寝たからわからないけど……