そして、今―――
「好きだよ……」
甘い囁き。
絡まる視線。
触れる唇。
重なる体温。
すべてが愛しくて、大事で。
この上なく、幸せな時間。
あれからずっと、
私たちはこんな時間を共有している。
私には、航くんだけ。
航くんにとっては、どうなんだろう……?
あのときの私は、
こんな感情なんて、知らなかった。
あのときは生まれなかった感情。
あの後、教えてくれたのは航くんだから。
あれは、恋なんかじゃないんだ。
信じてくれるかな……?
「あーあ…寝ちゃった」
残念そうに呟く声が遠くで聞こえた。
いつものこと……
航くんの隣で眠ることが、私の一番の幸せ。