途端に胸がきゅっとなって、私はすぐに航くんの背中に腕を回した。
しっかり抱きしめ返す。
言葉じゃ、絶対に言えないから。
こうやって、私はいつも行動で示すんだ。
……って、明らかにこっちのほうが恥ずかしい気がするけど。
「ふっ……」
人が気持ちを伝えようと必死だと言うのに、航くんはいきなり笑い出した。
思わず顔を上げると、
「ホント、可愛いよなぁ…みさきさんは」
にっと笑いながら、頭を撫でられた。
「なっ…何が?」
子供扱いされて少々ムッとしつつも、恥ずかしくて顔が火照ってくる私。
「素直じゃないんだもん」
それに対して、あくまで余裕な航くん。
「そういうとこが、ヤバイんだよね……」