「待って!私も一緒に行く!」



玄関を出ると、まどかが慌てて追いかけてきた。



「なんか、久しぶりだよね?」



にこにこしながら隣を歩く“妹”を、さすがに私も拒めない。



「みーちゃんは、志望校とか決まってるの?」


「あー…うん、まぁ。」



……嘘。本当は全然決めていない。


今のレベルで入れるところならどこでもいい、そんな感じ。



「そっかぁ…みーちゃんの高校、レベル高いもんね。

きっとみんな、いい大学を目指すんだろうね」



その言葉に邪気はない。


まどかはそういう子だ。


素直でまっすぐで、“裏表”とか“計算”なんて無縁。


本当に“いい子”。


だから、


私は逆に、苦手なんだ。