「……ん?」



……あれ?


私、また寝ちゃってた?



ぼんやりした頭で考える。


確か、いつものように航くんの家に来て一緒にご飯を食べて……


片付けを終えて、リビングでテレビを見ていた…ところまでは覚えてるんだけど。


気づけば周りは真っ暗で。


明らかに、ここは航くんのベットだ。


運んでくれたのかな?



「まぁ、いいか……」



一瞬で状況を把握できてしまった私。


柔らかい感触と、心地よい香りに包まれて再び瞼を閉じた。







……って、ダメだ。



「今、何時……?」



慌てて身体を起こして、枕元にあるはずの目覚まし時計に手を伸ばした。


今日は、泊まるわけにはいかないんだった。


明日は朝から講義があるし、テストも近いからさすがに家で勉強しないと。



「もう、こんな時間?」



時計を見れば、すでに10時を回っていて……



「帰らなきゃ。」



ベットから出て、そこではじめて気がついた。



「……航くん?」