「みさき、のがいい?」
真剣な瞳でまっすぐに見つめられて、私の鼓動は簡単に跳ね上がる。
いつまでたっても、やっぱり慣れない。
やっとの思いで頷けば、
「じゃあ、そうする。」
航くんはにっこり笑った。
その笑顔を見ただけで心の中のモヤモヤがきれいに晴れてしまう私は、相当単純なのかもしれない。
「しっかし、可愛いよなぁ。」
そのまま、私を自分の腕の中に引き寄せながら、航くんは嬉しそうに呟いた。
「な…何が?」
「まさか、マドカにヤキモチ焼くとは思わなかった。」
「そ…それはっ」
そんなにはっきり言われてしまうと、恥ずかしくてたまらない。
思わず、かぁーっと身体が熱くなる。
「……大丈夫だよ。」
焦りまくる私の耳に届いたのは、いつも以上にやさしく甘く……そして真剣な声。
「マドカは、俺にとって“妹”だから。」
「……え?」
「俺には、みさきだけだから。」
「……っ。」
私は、
すごく幸せだ―――