……それから。
何かが変わるわけでもなく、相変わらずの毎日が続いている。
私は、航くんの家と茉奈の家を行ったりきたり。
まどかと顔を合わせるのは、本当に稀なことで……
だけど、まどかの態度は以前と何ら変わりはない。
会えば笑顔で挨拶してくるし、たまに私の部屋に勉強を教わりに来たりもする。
あれっきり、航くんの話題を出してくることもないし。
それはそれでいいんだけど、何か気になるって言うか……
「あ、そうだ。」
ふいに顔を上げた航くんと目が合う。
模試があるとか言って、リビングにいながらも参考書に向かっていた航くん。
“受験生”だもんなぁ、なんてぼーっと見つめてたのがバレた?
「今日も、マドカに会ったよ。」
私の予想に反して、航くんは無邪気に笑った。
「当番じゃないはずなんだけど…
マドカのやつ、よく来てくれるんだよね。」
真面目で助かるよ、なんて言いながら、再び視線を手元に戻す。
……また、だ。