「……えっ?」
ぼーっとしていた私は、航くんの声で我に返る。
「今日は“待って”とか言わないんだ?」
意地悪な響きを含んだ声が聞こえたかと思うと、
「“ここはキッチンだ”とか言って抵抗するかと思ったのに……いいの?」
後ろからひょいと顔を覗き込まれた。
「え……?」
不思議に思って首を傾げていると……
「……っ!ちょっ…」
いつの間に?
気がつけば、つけていたはずのエプロンは外されて、
着ていたはずのカーディガンはずり落ちて……
胸元ははだけてるし、なんかとんでもないことになっていた。
「みさきさんがその気なら仕方ないよね。ここで。」
そう言いながら、私の首筋に唇を押し付ける航くん。
その手はしっかり服のボタンを外しにかかっている。
「なっ…やっ……」
押し退けようともがくと、
「じゃあ、部屋に行く?」