なんで、こんなことに……


慌てる私のことなどおかまいなしに、航くんは続ける。



「すぐに赤くなる、この頬とか……」



そう言って、次は頬に。



「何度でも触れたくなるような、この唇とか……」



次は、唇に。



「ここも……」



耳から首筋へ……


ゆっくり移動しながら、キスを落としていく。



「ちょっ……」



パジャマのボタンに手がかかったときには、さすがに私も声を上げた。



「さっき…着替えたばっかりで……」



航くんの手を掴んで制したものの、すぐに包みこまれてしまった。


あっという間に露になる素肌。



「細い肩……」



言いながら、肩に。


そして、胸元に……


航くんの唇が降ってくる。



「……っ」



私はすでに限界で、もうどうしたらいいのかわからない。


だって、ついさっきまで…なのに、また?


もう、寝るはずだったのに。


話題を振ったはずが、完全に航くんのペースに巻き込まれてしまった。


こんなつもりじゃなかったのに……