そんなに驚かれるとは思わなかった。


目を真ん丸にして顔を覗き込まれて、だんだん恥ずかしくなってくる。


私、もしかしてすごいこと聞いてる?



「……いいや。なんでもない。」



耐えられなくなって顔を背けた私に、



「聞きたい?」



楽しそうな航くんの声が降り注いだ。



「そうだなぁ……」



再び私の髪を弄びながら、ぼんやり呟く航くん。



「基本的に、全部好きなんだよね……」



「ぜんぶっ?」



「そ。全部。」



恥ずかし気もなく、にっこり笑って言い放った。



「なんかもう、全体的に好きって言うか……
存在自体に惚れてる…みたいな?」