そう。
ここは、煌々と明かりがついた水沢家のリビング。
ついでに言えば、
今私が押し倒されているのは、ソファーの上だったりする。
「あぁ……」
納得したように呟いたから、てっきりわかってくれたのかと思ったら……
「大丈夫。今日は夜勤で帰ってこないから」
そう言うなり、また距離を縮めてくる航くん。
……全然わかってない。
「そうじゃなくて……」
やっぱり、抵抗がある。
おばさんがいないときにお邪魔しておきながら、家族の共有スペースでこんなこと……
普段、おばさんがくつろいでいるソファーで……
しかも、この明るさ。
私には、無理。
「……仕方ないなぁ。」
ため息をついて、航くんは気だるそうに体を起こした。
「どこでだって、やることは一緒なのに」
ぼそっと呟いた一言に私の身体がカッと熱くなったのは、言うまでもない。