……もう、ダメだ。


そのまま、

私は航くんのペースに流されていく。





甘くやさしいキスが繰り返されて、

次第に熱く激しくなっていく。



息もままならないくらい、何度も何度も触れ合って、絡み合って混じり合う。


もう、何にも考えられない。


全部を奪われてしまうような、そんな感覚になってくる。




気がついたときには私は後ろに倒されていて、航くんの肩越しに見える天井、そして照明。


私の首筋に顔を埋める航くんの髪にそっと触れた。


指に絡み取れば、柔らかくて心地よい。


校則ギリギリに染められた茶色が、照明に透けてキラキラしていた。


ぼんやりした意識の中、眩しさに目を細める……って、






「ちょっと待って!」