「幼なじみなんだ」
航くんは言った。
「昔、近所に住んでてさ。
よく一緒に遊んだりしたんだよね。」
そのときのことを思い出しているのか、懐かしそうに目を細めながら。
「まさか、また会うとは思わなかった。しかも……」
そこで区切って、私のほうをちらっと見ると、
「みさきさんの“妹”になってるとはねぇ……
世の中って、狭いもんだね」
しみじみと呟いた。
……本当に、航くんの言う通りだ。
もしかして…とは思っていた。
でも、まさかそうだとは思わなかった。
思いたく、なかったから……
ここ最近、顔を合わせる度に、
まどかの口から出る“好きな人”の話。
あまりにも嬉しそうに報告してくるものだから、私も聞かないわけにはいかなくて。
でも……