……おでかけ、かな?
みさきちゃんの手には、いつもより大きめのバックが握られていた。
なんとなく動けずにいた私を見て、不思議そうに首を傾げてから、
みさきちゃんの視線が私の後ろに向けられた。
「え……」
途端に、表情が変わる。
「なんで……」
明らかに動揺している。
いつものみさきちゃんらしくない。
……なに?
後ろを振り返れば、そこにいるのはコウちゃんで……
あ、そっか。紹介しないと!
……ん?でも、こういう場合、どっちから紹介するべき?
迷いつつも、
「あのね、みーちゃん…」
口を開きかけたとき……
「もう、準備できてる?」
私の言葉は、コウちゃんによって遮られてしまった。
「すぐ行ける?」