並んで歩く帰り道。
私はすごく緊張していた。
だって、初めてだもん。
コウちゃんと帰るなんて。
今まで、放課後の当番が一緒になっても、いつも私を先に帰してくれたコウちゃん。
いろいろ後処理があるから、って。
この学校は駅からも近いし、街灯もお店も多いから、多少暗くなっても危なくはない。
人はたくさん行き交ってるし、交番もあるし。
だから、別にひとりでも平気だった。
「いいの?遠回りになっちゃうよ?」
ママの話によれば、
コウちゃんのお家は、私の家からそう遠くはないものの、反対方向にある。
明らかに遠回りだ。
「いいのいいの。ちょうどそっちに用事があるから」
何やらケイタイをいじりながらも、微笑むコウちゃん。
「ちょうどよかったよ」