私は、コウちゃんが好き。 どうせ、叶わないのなら…… 今だけでもいい…… 今だけ。一瞬だけ…… 眠っているコウちゃんに、 私はゆっくり近寄った。 “眠り姫”ならぬ“眠り王子”? コウちゃんは覚えてなくていいから。 知らなくていいから。 これで諦めるから。 私に、思い出をください…… ぎゅっと目を瞑って、ゆっくり、 私は顔を近づけていった。