「……いた。」
悟先輩の言葉通り、コウちゃんは屋上にいた。
コンクリートの上に寝っ転がって、どうやら眠っているみたい。
今は放課後。
……といっても、今日は帰りが早かったから、
まだ太陽がいい感じに照っていて、
ひなたなんかは、気持ちのよい暖かさだ。
音を立てないように、静かに近づいていく。
コウちゃんの側まで歩いていって、その様子を窺うべく、しゃがみ込んだ。
そっと顔を覗き込むと……
「うわっ…ヤバイ」
思わず、小さく漏れてしまった言葉。
だって……
キレイな顔。
こんなに近くで見たのは初めてだ。
コウちゃんは、チビな私よりもうんと背が大きいし、
並んで座ってたって、そんなにまじまじと見つめるわけにはいかないから……