呟いたかと思うと、バッと私のほうを振り返った。
「窓花ちゃん、悪いんだけど、あいつ呼んで来てくれる?」
「えっ?」
「俺が起こすと機嫌悪いからさぁ。お願いっ!」
手を合わせて頼まれている私。
……これは、断れないよね?
「……わかりました」
「ホント?いやー、助かるよ。ありがとう!」
嬉しそうに、にこにこ笑う悟先輩。
「保健室か…あ!今日は天気いいから屋上だと思う」
屋上って…遠いなぁ。
小さくため息をついて、出ていこうとすると……
「窓花ちゃん!」
呼び止められた。
「寝込みを襲っちゃ、ダメだよ?」
「はあぁっ?」
思わず叫んでしまった私。
襲う…って、……えぇ?そんなハレンチな。
「いってらっしゃーい」
真っ赤になる私を見てくすくす笑いながら、先輩は手をヒラヒラ振った。