「いやーっ、運命的だねぇ」
顔を合わせるなり、ずっとこの調子だ。
「こんなことってあるんだねぇ」
素直に感心してくれているのはわかるんだけど、目立つからやめてほしいなぁ。
ただでさえ普段から声が大きいのに、静まり返った図書室にはよく響く。
「あの…悟先輩?図書室ではお静かに……」
やっとの思いで注意する。
「あー、ごめんごめん」
たいして悪びれもせず、いつものようににかっと笑う先輩。
……なんだかなぁ。
文句を言いたいのに、憎めないキャラクターっていうか……
昨日だって……
――――………
――……
「“お姉ちゃん”って……」
真剣な瞳で、コウちゃんが何かを言いかけた…その時、
「大変だぁっ!」