「え……?」
それまでずっと笑顔だったコウちゃんの顔が、一瞬にして強張ったのがわかった。
「元気…してる?」
恐る恐る聞くと、
「さぁ…?」
コウちゃんは、無表情のまま、首を傾げた。
「一緒に住んでないからわかんない」
「え?」
「家を出たのは俺だけだから」
「えっと……」
「あっちは、成海の家に残ったから。」
それだけ言うと、ふっと視線を外して黙ってしまった。
なんか…私、悪いこと聞いちゃったのかな?
そうだよね……
“離婚”するってことは、
いろいろ複雑なことがあったに違いないよね。
少なくとも、両親のどちらかとは離れなきゃいけないわけだし……
家族がバラバラになっちゃうんだもんね。
無神経…だったよね、私。