あの頃よりも、うんと大きくなった掌。


あの頃以上に温かい。


懐かしさに浸りながら、思わず目を閉じてしまった。


なんか、幸せだぁ……


うっとりと、その感覚に酔いしれていたのに……



「おばさん、元気?」



すぐにパッと離されてしまった。


……あーあ。残念。



「あー、うん。元気元気」



がっかりしつつも、

明らかに今までよりも砕けた調子で話しかけてくる先輩が嬉しくて、

ついつい笑顔で答えてしまう。


なんか、一気に距離が縮まった感じ?


マンガやドラマなら、ここから恋が始まったりするんだよね?


運命の再会、ってやつ?


でも…無理だよね。


だってコウちゃんには……



あーあ。せっかく、会えたのになぁ。


2度も同じ人に恋するなんて、まさに“運命”なのに。


それは私のほうだけ、なんだよね。