「私、まどか!
小さい頃、近所に住んでて、よく一緒に遊んでもらってて……」
必死に説明をした。
先輩は、口元に手を当てて、何かを考えるように黙り込んでいる。
覚えてないのかな……?
やっぱり人違いなのかな……?
不安になりつつも、先輩の言葉を待つ。
しばしの沈黙の後……
「……やっぱり?
あの“マドカ”だったんだ?」
先輩がパッと顔を上げて私を見た。
「へ?」
今度は、私が驚く番だった。
「そうかなー、とは思ったんだよね。そっか…やっと繋がったよ」
いつものように、にこやかに笑う先輩。
「気づいてたん…ですか?」
私の問いかけに、
「最初に名前を聞いたときに、ね。
なんとなく聞き覚えがあるなあと思って。珍しい漢字だし?」