「あのっ、先輩は、いつからそのお名前なんですか?」



やっと出た言葉。



「……へっ?」



……や、違う…こういう聞き方じゃないよぉ。



これじゃ意味不明だよ。


自分のバカさ加減に呆れるよ。


先輩も困ってるじゃん。



もっと違う言い方で、かつピンポイントで答えてもらえるようにするには……



これ以上ないくらい、頭を高速回転させて考えていると……



「ああ…名字?」



少しの沈黙の後、思い付いたように先輩は言った。


理解してもらえたみたいだ。



「名字は…中学に入ったときからだけど……」



……やっぱり!



「親が離婚して、俺は母親に引き取られたから……」