「あ、窓花ちゃん。昨日はごめんね?」



次の日。


放課後の図書室に、いつも通り水沢先輩はいた。


悟先輩は……


周りを見渡してみるも、その姿はない。


よし。チャンスだ。


確かめなくちゃ……



「あの、先輩……」



昨日のママの話。


聞いたときは、信じられなかった。


まさか、そんな偶然が重なるなんて。


だけど、間違いないと思う。


だって……



「何?」



カウンターに積まれた本を移動させようとしていた先輩が、動きを止めて私を見た。


そのまっすぐで綺麗な瞳は、確かに見覚えがあった。


全然、変わってなんかないのに。


なんで、すぐに気がつかなかったんだろう?


名前だって……