神様は、ちゃんといるんだね。


失恋して落ち込む私に、次の相手をちゃんと用意してくれているなんて!


もう、私の頭の中はそのことでいっぱい。


あーっ早く明日にならないかな?


もう、ソッコーで探してやる!


……ん?そうだ、大事なことが……



「ねぇ、ママ。その男の子の名前って……?」



聞きづらいけど仕方ない。



「ああ、新しい名字?」



「いや…フルネーム?」



「はっ?あんた覚えてないの?」



軽蔑するような眼差しを向けられてしまった。



「ホントに覚えてないの?」



確認するかのように私を見つめるママ。


頷く私に、大きなため息をつくと、



「我が娘ながら、記憶力の乏しさに呆れるわ。よく高校受かったわね」



痛いところをついてくるなぁ。



「あんなに……


“コウちゃんコウちゃん”って追いかけ回してたくせにねぇ……」