「懐かしい人?」



靴を脱ぎながら振り返る。


なんか、上機嫌だなぁ。



「そう。成海さん!」



……誰?


ママはにこにこしているけど、私は検討がつかない。

私の知ってる人?


きょとんとする私に、



「あんた、覚えてないの?」



信じられないというように、顔をしかめるママ。


素直に頷くと、



「昔、近所に住んでたじゃない!よくお邪魔してたでしょ?」



「え?あー引っ越す前?」



「そうそう。」



必死に記憶の糸を手繰り寄せる。



「窓花、よく遊んでもらってたじゃない?成海さんとこの息子さんに。」



「息子?」



「大好きでベッタリだったでしょ?むこうも、妹みたいに可愛がってくれて……」