ガタッと椅子から立ち上がると、
航くんは、机に散らばった私の教科書類をまとめ始めた。
ここは、学校の図書館。
待っている間、勉強をするつもりが…眠っていたらしい。
「あれ…?そういえば茉奈は?」
鞄を取り出しつつ聞けば、
「とっくに帰ったよ?」
あっさり返された。
「え……?」
「茉奈さんだけじゃなくて、生徒の大半が」
航くんの視線を追って辺りを見渡せば、窓の外はすでに真っ暗で。
館内にはもう誰もいなかった。
「さっき、あと5分で閉めるって言われたし」
時計を見れば、もうすぐ7時になるところ。
「まったく…眠りすぎだよ。」