「……あーあ。起きちゃった」



目を開けるなり、航くんの綺麗な顔が視界に飛び込んできて。


私は思わず飛び起きた。


……近すぎるから。


そんな私からゆっくり顔を離しつつも、髪の毛を指で絡みとりながら、



「せっかく、これから襲おうと思ってたのに……」



残念そうに呟いた。



「お…襲う、って……」



こんなところで、何てことを……



「だってさ、そんな無防備に寝られてちゃ…襲いたくなるのが男ってもんでしょ?」



しれっと言い放たれて、



「……っ」



思わず顔が赤くなる。


まったく。いつからこんなふうになったんだっけ?


昔はもっと……



「ま、いいや。帰ろ?」