「保健委員は、おばちゃんに止められたんだよ。
職権乱用するつもりだね、って思惑バレバレで」



水沢先輩は、拗ねたようにぼやいた。



「ははっ。さすがおばちゃん。
おまえ、保健室使いすぎだもんな。
サボるだけじゃなく、あんなこととか、こんなこととか……?」



意味深な発言に、



「だから、それはないから!」



全力で否定する先輩。



「まあ…そういうことにしといてやるよ。
先輩の名誉にもかかわることだしね」



「おまえなぁ……」



繰り広げられる会話。


当然、話の内容はよくわからないけど、なんか楽しい。


先輩の会話を堂々と盗み聞き。


ちょっとした探偵気分だ。



「でもさ、なんで“図書委員”なわけ?」



友達の問いかけに、



「え?ああ…初心に戻ろうかと思って。」



先輩は素っ気なく答えた。