「まあまあ、そんな嫌そうな顔するなよーっ」
明るく言うと、
「あ、ちょっとごめんね」
その人…おそらく先輩の友達…は、私の横を通りすぎて、
私がまさにこれから座ろうとしていた席にどかっと腰を下ろした。
「あ……」
思わず漏れた声。
水沢先輩は、一瞬だけ私のほうを見たものの、すぐにとなりの友達のほうに向き直った。
ちぇっ……
仕方なく、その友達の人のとなりに座った。
「てっきり、お前は“保健委員会”にするかと思ってたよ」
「なんで?」
「保健室大好きじゃん?よくサボってるし」
「失礼な……」
おとなしく座りつつも、先輩たちの会話に耳を傾ける。
情報収集だ。