最初の委員会でくじ引きで決めた当番。
あくまで形式的なもの。
1年生だろうが守る子なんていない。
たまたま、航くんは私とペアになった。
それだけ。
なのに……
それが始まりだった。
無邪気に近づいてきたと思ったら、
航くんは、驚くほど簡単に私の世界に入り込んだ。
いつのまにか仲良くなっていて、
傍にいても邪魔にならない存在になっていた。
たぶん、人との距離の取り方がうまかったんだと思う。
私のテリトリーに入ってきた唯一の人間。
茉奈はすごく驚いていた。
でもそれは、
“恋”とかそんなんじゃなくて、
ただ、“人”として気に入られていただけ。
私たちの関係は、ただの“先輩”と“後輩”。
それが変わったのは
“あのこと”があった後だから……