「1年生はこれからガイダンスだよね?教室はあっちだと思うけど?」
親切に教えてくれてるけど、耳に入ってきやしない。
私は、ぼーっとしたまま動けないでいた。
だって、すっごい素敵なんだもん!
まるで“王子様”?
普通にテレビに出ててもおかしくないくらい。
私の好みそのものっていうか……
確実に、私の目はハートになってると思う。
「……わかんないか」
言葉を発せられずにいる私を見て、説明を理解できなかったものと勘違いしたらしい。
目の前の“王子様”は、ため息まじりに呟いた。
「……ついてきて?送ってってあげるから」