だから、人のいない場所が大好きで、
その場所を確保するために入ったのが……
“図書委員会”。
私の中学の図書室は、
冷暖房はないわ、古くてカビ臭い本しかないわ、
狭いわ汚いわで、誰も近寄らなかったから。
委員会だって、真面目に活動してる人なんか誰もいなくて、一番楽だと評判だった。
当番なんて、あってないようなもの。
守ってるのは、私くらい。
そのせいか、顧問の先生に信頼されていた私は図書室の鍵を自由に使えるまでになっていた。
それは、願ってもいないこと。
誰も来ない空間で、
誰にも邪魔されない、
私だけの“居場所”。
思う存分、私は好きに過ごしていた。
そこに現れたのが、
航くんだった。