それから数分、無言で手を繋いだまま歩いた。
駅のホームまでね。


「棗くん」


「あ?」


こ…これは同一人物?
昨日の優しい棗くんはどこ?


「棗くんって二重人格?」


「違ぇよ。俺はいっつもこう。あー、あの俺は”表”の俺、みたいな?知らない奴と話す時は必ず向こう。めんどくさくなったらこっちで話すけどな」


「へ、へぇ…」


なんか棗くんも大変なんだねぇ…
まぁ、そりゃそうか。
人気者だしね!