「えー、コホン。そろそろいいかしら?」


にゃんこ先生まで顔を赤くするから、周りの子にニヤニヤされた。


もうやだ…新学期早々これだもん…


ほんっと棗くんってばどこでもキスするんだから!

もっと人目を考えてよね!


「えー、まずは転校生を紹介します!松井さん入ってきてー」


ガラッと勢いよくドアを開け入ってきた美優ちゃんはいたって平然としていた。


あれ、こういうの緊張しないのかな。

私だったら緊張しすぎて死んじゃうかもしれないのに(大袈裟)…。


「大阪から来た松井美優さんです!じゃ、自己紹介してくれる?」


「はいっ!えっとー、松井美優っていいます!向こうでは美優とかまっつあんとかって呼ばれてました!とにかく、仲良ぉしたってください!」


ぺこっとお辞儀をすると、水沢くんが座ってるほうを見つめニコニコしだした。


「しゅーうっ!来ちゃった」


「……お前…はぁ…なんていうか、うん、お前らしいんとちゃう?」


「愁ならそう言ってくれると思っとったで」


――数分後。


まだ水沢くんと美優ちゃんは、お互い見つめあいながら微笑みあってる。


先生が配慮してか、ほんとは私の隣に美優ちゃんが来るはずだったんだけど、水沢くんの隣の子と席を交換させた。


だからこうしてさっきからずっと見つめってるわけで…


うぅ、なんか目のやり場に困る…