「おい、ニヤけてんじゃねーぞ」 「へ、ニヤけてた?」 「おう。がっつりな。ていうかさ、そろそろ学校着くんだけど」 「うっそ、いつの間に?!」 「さっきアナウンス流れてたろ」 「聞いてなかった…」 頭の上から降ってくる大きなため息。 …と大きな手。 「危なっかしいよな、ほんと」 「…私?」 「当たり前だ」 私が危なっかしい? …なんで? 別に電車くらい1人で平気だし、降り慣れてるところだったら間違えないのになあ。