「いこっか」


そ、そんな眩しい笑顔で私を見ないでー!
じゃなくって、無理だよ無理!

これでもかってほど頭を横に振る。

しかし棗くんはそんなのお構いなしというかのように、中に入ろうとする。


「ほ、ほんとにだめなの!」


「知ってる」


「へ…知ってる…?」


「春佳さんから聞いた」


や、やっぱりお姉ちゃん教えたのねー!?

なんてひどいの…
きっと今頃ほくそ笑んでるんだわ…


「早くしろよ。時間の無駄だぞ?」


「だ、だったら棗くん1人で行けばいいでしょー!」


「それじゃ意味ないだろ…せっかく来たんだから」


うっ…
そんなこと言われたら入るしかないじゃん…


しょうがない。入るか。


「…分かった」


ニヤリと笑う棗くん。
私はその瞬間を見逃さなかった。

まさか……


はめられたー!?