「…っていうのは嘘で、誘われたからしょうがなーく、みたいな?あはは…」


うん、そうよ。
別に私は行きたくて行くわけじゃない。

さ・そ・わ・れ・た・か・ら行くだけ!うんうん。


「へぇ、そっかぁ。俺、悲しーなー」


…こ、この声は……

勢いよく振り向くと、そう”彼”がいた。


「…っ!?」


不敵な笑みを浮かべながら壁にもたれかかる”彼”。


…そう棗くんだ。


「なっなな!」


「お久しぶりです、春佳さん、亮さん」


し、知り合い!?
お姉ちゃんはまだしも、亮くんも!?


って私スルー!?


「なっなんでいるの!?」


「さっきインターホン押したけど?」


「へ……」


てことは、お姉ちゃんがいれたわけ!?


お姉ちゃんを睨むと思いっきり目を逸らされた。



なんて事を……!