「…い……りい…りいりい!?」
「わぁっ!」
安那ちゃんの顔がドアップであったので、思わず叫んでしまった。
「んもー…何回呼んでも気付かないんだもん。ほら、家着いたよ?」
「あ…ごめんね。ありがと、安那ちゃん」
自分なりに、精一杯の笑顔を作ってお礼を言った。
「りいりいの作り笑い、安那嫌いだなぁ。あ、先入るね?」
「へ…あ、うん…」
作り、笑い?
そんなことない…と思う。
私なりにいつも通りの笑顔を作ったつもり。
でもまぁ、安那ちゃんモデルだしね。
そういうのは鋭いのかも。
ずっと玄関の前にいるわけにもいかないので、早く家に入ることにした。