「あれって棗っちでしょ?」


「な、棗っち?」


「安那の彼氏の後輩なの!たまーにだけど、一緒に遊んだりするよー」


「へぇ…」


一緒に遊んだりしてるの?
安那ちゃんと?

…なんかヤな気分……

胸がチクチク痛む。


私、朝、なんか変なものでも食べたかな…


「って、りいりい、あからさまに落ち込まないでよー。ね、奥いこ?」


そう言うと、ツカツカと奥へ歩いていってしまった。


私…落ち込んでた…?

そんなに分かりやすいかな…


「え、理衣奈?」


「へ…?」


先ほどまで雑誌を読んでいた棗くんが、いつのまにか私の目の前にいた。